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強酸と弱酸

0.100 Mの塩酸は完全に電離していてpHは1.00ですが、酢酸は陽子の1.3%しか放出しておらず、pHは2.87です。

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選んだ濃度の酸の分子100個を示します。電離した分子は、離れたA⁻とH₃O⁺として描かれます。同じ濃度の酢酸、ギ酸、塩酸を比べてみましょう。

塩酸も酢も酸ですが、料理に塩酸を使う人はいません。違いは、瓶の中の酸の量だけではありません。同じ濃度でも、陽子をほぼすべて手放す酸もあれば、大部分を手放さない酸もあります。化学では前者を強酸、後者を弱酸と呼びます。酸の強さは水中でどこまで電離するかを表し、濃度はどれだけの酸が溶けているかを表します。この2つは別の考え方で、薄い強酸の方が濃い弱酸より酸性が弱いこともあります。

強酸は完全に電離します

OpenStaxは代表的な強酸として、過塩素酸HClO₄、塩酸HCl、臭化水素酸HBr、ヨウ化水素酸HI、硝酸HNO₃、硫酸H₂SO₄の6種類を挙げています。HClのような一価の強酸は、薄い水溶液中でほぼ完全に電離するため、[H₃O⁺]は酸の濃度とほぼ等しくなります。硫酸は最初の陽子をほぼ完全に放出しますが、2段階目の電離は平衡反応で、さらにH₃O⁺を生じることがあります。0.100 MのHCl水溶液では[H₃O⁺] = 0.100 MでpHは1.00、0.0010 Mの水溶液ではpHは3.00です。代表的な強塩基は、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムの水酸化物の6種類で、OH⁻を完全に放出します。

弱酸とKa

ほとんどの酸は弱酸です。酢に含まれる酢酸は、水中で平衡をつくります。CH₃COOH + H₂O ⇌ H₃O⁺ + CH₃COO⁻です。その強さは酸解離定数Ka = [H₃O⁺][CH₃COO⁻] / [CH₃COOH]で表します。酢酸ではKa = 1.8 × 10⁻⁵で、pKa = 4.74になります。PubChemには25 °Cでの測定値としてpKa 4.76が載っています。ギ酸はKa = 1.8 × 10⁻⁴で、酢酸の約10倍強い酸です。Kaが大きいほど強い酸です。

弱酸のpHを求めるには、平衡の式を解きます。0.100 Mの酢酸で、電離する量をxとすると、x² / (0.100 − x) = 1.8 × 10⁻⁵です。xは小さいので、x² ≈ 1.8 × 10⁻⁶、x ≈ 1.3 × 10⁻³ Mとなります。pHは2.87で、電離した割合は(1.3 × 10⁻³ / 0.100) × 100 = 1.3%です。陽子を手放した分子は75個に1個ほどしかなく、実験では100個のうち1個の分子が分かれた姿で示されます。xが小さいという近似を使わずに解くとpHは2.88になり、実験ではこの厳密な解を使っています。

薄めると割合が変わります

実験で酢酸の濃度を下げてみましょう。0.010 Mでは約4.2%、0.0010 Mでは約12.5%が電離しています。Kaは変わりませんが、薄めるほど電離した割合は大きくなります。粒子の数が多くなる側へ平衡が移るからです。強酸はどの濃度でも100%のままです。そのため、電離した割合は酸に固有の値ではなく、Kaは固有の値です。

弱塩基も同じように、塩基解離定数Kbで表します。アンモニアは水から陽子を受け取ってNH₄⁺とOH⁻をつくり、Kb = 1.8 × 10⁻⁵です。PubChemでは0.1 Nのアンモニア水のpHを11.1としており、同じ濃度の強塩基の13よりずっと低い値です。

  1. 強酸はどれですか?
    • HNO₃
    • CH₃COOH
    • HCOOH
    • H₂CO₃
  2. 0.0010 MのHClのpHはいくらですか?
  3. 0.100 Mの酢酸は何%が電離していますか?
  4. 0.100 Mの酢酸のpHはいくらですか?
  5. 強い酸はどちらですか?
    • ギ酸(Ka = 1.8 × 10⁻⁴)
    • 酢酸(Ka = 1.8 × 10⁻⁵)
    • 同じ強さ
    • 濃度だけで決まる
  6. 酢酸を0.100 Mから0.0010 Mに薄めると、電離した割合はどうなりますか?
    • 大きくなる
    • 小さくなる
    • 変わらない
    • ゼロになる
  7. Ka = 1.8 × 10⁻⁵のとき、pKaを小数第2位まで求めるといくらですか?
  8. 強酸の「強い」が表すものはどれですか?
    • どれだけ完全に電離するか
    • どれだけ濃いか
    • どれだけ速く注げるか
    • においがどれだけ危険か
  9. 強塩基はどれですか?
    • NaOH
    • NH₃
    • CH₃COO⁻
    • H₂O
  10. OpenStaxが挙げる代表的な強酸は何種類ですか?
ポイント
  • HClO₄、HCl、HBr、HI、HNO₃は希薄溶液中でほぼ完全に電離します。H₂SO₄の最初のプロトンはほぼ完全に外れますが、二段階目の電離と弱酸の電離は平衡反応です。
  • Kaは酸の強さを表します。酢酸は1.8 × 10⁻⁵、ギ酸は1.8 × 10⁻⁴です。
  • 弱酸は薄めるほど電離した割合が大きくなります。0.100 Mの酢酸では1.3%です。
このコースの出典 (10)
  • OpenStax Chemistry 2e (openstax.org/books/chemistry-2e): 4.2 neutralization and antacids (stomach roughly 0.03 M HCl, milk of magnesia Mg(OH)2, Al(OH)3)
  • 14.1 Brønsted-Lowry acids and bases (Boyle 1680, Davy 1815, Arrhenius 1884, Brønsted and Lowry 1923, autoionization about two in a billion molecules, Kw = 1.0 × 10⁻¹⁴ at 25 °C, about 5.6 × 10⁻¹³ at 100 °C)
  • 14.2 pH and pOH (pH = −log[H3O+], stomach acid 1.2 × 10⁻³ M gives 2.92, vinegar about 4 × 10⁻³ M gives 2.4, blood 7.3, KOH 0.0125 M gives 12.10, neutral pH 6.31 at 80 °C, rainwater 5 to 6, acid rain below 5, pH meter resolution 0.001, Figure 14.2: 1 M HCl 0, gastric juice about 1.5, lime juice about 2, wine about 3.5, coffee about 5, milk of magnesia about 10.5)
  • 14.3 relative strengths (six strong acids and six strong bases, Ka, percent ionization, 0.100 M acetic acid 1.3%)
  • 14.6 buffers (normal blood pH about 7.4)
  • 14.7 titrations (25.00 mL of 0.100 M HCl or acetic acid with 0.100 M NaOH, Table 14.2, equivalence pH 7.00 and 8.72, half-equivalence pH = pKa, Ka acetic acid 1.8 × 10⁻⁵, methyl orange Ka 4.0 × 10⁻⁴ red HIn and yellow In⁻, interval about pKa ± 1, phenolphthalein colourless below pH 8.3)
  • LibreTexts Acid-Base Indicators (litmus about 5 to 8, methyl orange 3.1 to 4.4, phenolphthalein 8.3 to 10.0; chem.libretexts.org) and bromothymol blue 6.0 to 7.6 yellow to blue (Prairie South indicator table via LibreTexts Chemistry 30)
  • PubChem acetic acid pKa 4.76 at 25 °C, sodium bicarbonate 0.1 M pH 8.3, ammonia 0.1 N pH 11.1, sodium hydroxide (pubchem.ncbi.nlm.nih.gov)
  • NOAA Ocean acidification (noaa.gov: surface ocean pH has fallen by 0.1 since the industrial revolution, about a 30 percent increase in acidity)
  • IUPAC CIAAW abridged standard atomic weights.

確認日: 2026-10-17