画像の代替テキスト
飾りのうず巻きも売上のグラフも img 要素を使いますが、正しい代替テキストは、前者では空文字列、後者では完全な文です。
代替テキストは何のためにあるか
スクリーンリーダーはページを音声や点字に変えます。画像に来ても画素を見ることはできないので、代わりに alt 属性を読みます。画像が読みこめなかったときにも同じテキストが表示され、検索エンジンやテキストだけのブラウザーが受け取るのもこのテキストです。WCAG 2.2はこれをいちばん最初に置いています。レベルAの達成基準1.1.1「非テキストコンテンツ」は、情報を伝える画像、アイコン、グラフにはすべて、同じ目的を果たすテキストの代替を求めています。
大事なのは「同じ目的」という言葉です。代替テキストはキャプションではなく、写っているものすべての一覧でもありません。目の見える読み手がその場所の画像から何を受け取るかを考え、それを書きます。パン屋のトップページにあるパンの写真なら「スライスしたサワードウのパン」だけで足りるかもしれません。同じ写真でも皮の色についての記事なら「黒に近い濃い色の皮と、気泡の多い中身のサワードウのパン」が必要かもしれません。同じファイルでも、役割がちがえばテキストもちがいます。
よくある4つの場合
W3Cの画像のチュートリアルは、ほとんどの画像をいくつかの種類に分けています。写真やかんたんな図のような情報を伝える画像には、写っているものの短い説明を付けます。区切り線や背景の模様のような装飾の画像には空の alt を付け、alt="" と書きます。これで支援技術はその画像を飛ばします。トップページへのリンクになっているロゴや、検索を実行する虫眼鏡のような機能を持つ画像には、何が起こるかを伝えるテキストを付けます。「ロゴ」や「虫眼鏡」ではなく、「Corner Bakery home」や「検索」です。文字の画像には、画像の中の言葉を付けます。
属性を書かないことと、空にすることは同じではありません。alt がまったくないと、スクリーンリーダーによってはファイル名を読み上げてしまい、聞いている人には「IMG アンダースコア 4032 ドット jpeg」のように聞こえることがあります。空の alt は「ここには見るものはない」と伝える意図的な選択です。複雑なグラフでは alt を短くし(「月ごとの売上の棒グラフ。下に説明あり」)、数値はそばの表や段落に書いて、だれもが読めるようにします。
img 要素ではない画像
画像はインラインのSVGや、CSSの背景画像として入ることもあります。CSSの背景には代替テキストを書く場所がまったくないので、装飾だけに使います。意味を伝えるものはHTMLに書きます。純粋に装飾のインライン svg は aria-hidden="true" で隠せます。これはユニット6で説明します。WCAGは代替テキストの文字数を決めていませんが、W3Cのチュートリアルは何度も同じ助言をしています。短く、この文脈で大事なことを伝えましょう。3文も書いているなら、その内容はたぶん、だれもが読めるページの本文に書くべきものです。
特別なソフトがなくても、自分のページを確かめることができます。ページのソースを表示して <img を検索しましょう。見つかったものにはすべて、空でもそうでなくても alt 属性があるはずです。主なブラウザーの開発者ツールには、各画像に最終的に付く名前を表示するアクセシビリティパネルもあります。その名前を文脈から切り離して続けて読むのはよい確かめ方です。一覧が「画像、画像、グラフ、ロゴ」なら、スクリーンリーダーの利用者にもまさにそう聞こえます。
| WCAG 1.1.1 | 非テキストコンテンツ、レベルA:意味のある画像にテキストの代替 |
| alt="" | 装飾:支援技術は画像を飛ばす |
| 機能を持つ画像 | 動作やリンク先を説明する |
| 文字の画像 | alt は画像の中の言葉をくり返す |
| alt がない | スクリーンリーダーによってはファイル名を読む |
| 複雑なグラフ | 短い alt と、そばのテキストや表に書いたデータ |
- 代替テキストは、ページのその場所での画像の目的を伝えます。
- 装飾の画像には、属性を書かないのではなく alt="" を付けます。
- 画像でできたリンクやボタンには、動作を伝える alt が必要です。
- 長いデータは、画像のそばのテキストや表に書きます。
- テキストの代替を扱うWCAG 2.2の達成基準はどれですか?
- 1.1.1 非テキストコンテンツ
- 1.4.3 コントラスト(最低限)
- 2.1.1 キーボード
- 3.3.2 ラベル又は説明
- 2つのセクションを区切るだけの波線に付けるべきなのは
- alt=""
- alt="波線"
- alt 属性なし
- alt="画像"
- 検索ボタンの中身は虫眼鏡の画像だけです。いちばんよい alt は?
- 検索
- 虫眼鏡
- アイコン
- 白地に青い虫眼鏡
- alt がまったくないと、何が起こることがありますか?
- スクリーンリーダーによってはファイル名を読み上げる
- 画像が隠れる
- ページが読みこまれない
- ブラウザーが説明を作る
- バナー画像に「午前7時から午後6時まで営業」という言葉が書かれています。alt は何にすべきですか?
- 午前7時から午後6時まで営業
- バナー
- 営業時間の画像
- alt=""
- alt を「〜の画像」で始めないほうがよいのはなぜですか?
- スクリーンリーダーが画像であることをすでに読み上げるから
- HTMLがこわれるから
- 検索エンジンが禁止しているから
- 画像が大きくなるから
- 画像のテキストの代替を持つのはどの属性ですか?
- 詳しいグラフの数値はどこに書くべきですか?
- グラフのそばの表やテキスト
- すべて alt 属性の中
- どこにも書かない。グラフだけで十分
- ファイル名の中
- 代替テキストはキャプションと同じものですか?
- いいえ。alt は画像の代わりになり、キャプションは画面に見える追加のテキストです
- はい、いつも同じ
- モバイルでだけ同じ
- 写真でだけ同じ
このコースの出典 (9)
- W3C, Web Content Accessibility Guidelines (WCAG) 2.2, W3C Recommendation first published 5 October 2023, current edition 12 December 2024 (w3.org/TR/WCAG22/, checked 2026-10-17, rechecked 2026-10-18)
- W3C WAI, What's new in WCAG 2.2 (w3.org/WAI/standards-guidelines/wcag/new-in-22/, checked 2026-10-17)
- W3C WAI, Images tutorial and alt decision tree (w3.org/WAI/tutorials/images/decision-tree/, checked 2026-10-17)
- W3C, Using ARIA (w3.org/TR/using-aria/, Discontinued Draft 24 February 2026, rules 1 to 4, checked 2026-10-17)
- W3C WAI-ARIA Authoring Practices Guide, Read Me First, "No ARIA is better than bad ARIA" (w3.org/WAI/ARIA/apg/practices/read-me-first/, checked 2026-10-17)
- MDN Web Docs, tabindex (developer.mozilla.org/en-US/docs/Web/HTML/Reference/Global_attributes/tabindex, checked 2026-10-17)
- MDN, Heading elements, accessibility notes (developer.mozilla.org/en-US/docs/Web/HTML/Reference/Elements/Heading_Elements, checked 2026-10-17)
- MDN, autocomplete attribute (developer.mozilla.org/en-US/docs/Web/HTML/Reference/Attributes/autocomplete, checked 2026-10-17)
- Every code exercise was checked with a Playwright probe against a reference solution.
確認日: 2026-10-17