病原体の発見
1668年、フランチェスコ・レディは6個の瓶に肉を入れ、2個は開けたまま、2個はガーゼで覆い、2個は密閉しました。肉にウジがわいたのは、開けたままの瓶だけでした。
何もないところから生命が生まれるのか
長い間、人々は生き物が生物でない物質から生まれると信じていました。アリストテレスは新しい水たまりに魚が現れることを書き、1600年代には、フランドルの科学者ヤン・バプティスタ・ファン・ヘルモントがネズミを作る方法を示しました。ぼろ布とコムギの粒を、開いた容器に3週間置くというものです。実際には、ぼろ布と穀物がネズミにとってよい餌やすみかになっただけでした。この考えを自然発生説といいます。
実験によって、この考えは少しずつ崩れていきました。1668年のフランチェスコ・レディの瓶の実験では、ウジは肉からではなく、ハエの卵から生まれることが示されました。微生物については、もっと難しい問題でした。1745年、ジョン・ニーダムは肉汁を短時間煮沸して密閉し、微生物で濁るのを見て、自然発生の証拠だと考えました。おそらく煮沸時間が足りなかったのでしょう。ラザロ・スパランツァーニは数百回の慎重な実験を行い、加熱して密閉したフラスコは、空気に触れさせない限り透明なままだと示しました。ニーダムは、長い煮沸によって「生命力」が壊れたのだと反論しました。
腐敗から病気へ
微生物が食品を腐らせるなら、病気も起こすのでしょうか。微生物に名前をつけられるようになる前から、何人かが証拠を見つけていました。1847年、ハンガリーの産科医イグナーツ・ゼンメルワイスは、解剖からそのまま来る医師や医学生が担当する病棟では、出産後の発熱で母親が亡くなる割合が10~20%なのに対し、助産師が担当する病棟では約1%であることに気づきました。医師にさらし粉の水溶液で手を洗わせると、死亡率は助産師の病棟と同じ水準に下がりました。それでも多くの医師は彼を無視しました。
ロンドンの医師ジョン・スノウは、コレラは悪い空気ではなく水を介して広がると考えました。1854年8月31日、ソーホーのブロード・ストリート周辺でコレラが発生すると、死亡記録を調べ、家族に話を聞きました。その結果、亡くなった人の多くはブロード・ストリートの井戸ポンプの近くに住み、その水を飲んでいたとわかりました。調査結果を地域の指導者に伝え、1854年9月8日にポンプの取っ手が外されました。150周年のCDC報告書では、この研究を現代疫学の手本としています。コレラ菌そのものが分離されたのは、ようやく1883年のことでした。
1867年、ゼンメルワイスとパスツールの研究を知っていた英国の外科医ジョゼフ・リスターが、手術中に石炭酸を噴霧し始めると、術後の創傷感染が激減しました。その後、ロベルト・コッホは、特定の微生物が特定の病気を起こすと示すための一連の条件を定めました。彼と共同研究者は、この条件を使って炭疽、結核、コレラの原因を突き止めました。これらよりずっと前の1796年、英国の医師エドワード・ジェンナーは、牛痘にかかった人が天然痘から守られることを示しました。予防接種の始まりです。1980年5月8日、第33回世界保健総会は、世界から天然痘が根絶されたと宣言しました。
- 1668: レディが、ウジは肉ではなくハエから生まれることを示します。
- 1745: ニーダムの肉汁が濁ります。
- 1796: ジェンナーが、牛痘によって天然痘から守られることを示します。
- 1847: ゼンメルワイスが、手洗いによって出産後の死亡を減らします。
- 1854: スノウの調査を受け、ブロード・ストリートのポンプの取っ手が外されます。
- 1862: パスツールがアルアンベール賞を受賞します。
- 1867: リスターが手術で石炭酸を使います。
- 1883: コレラ菌が分離されます。
- 1980: 天然痘の根絶が宣言されます。
- 自然発生説は、生物でない物質から生命が生まれるという考えで、アリストテレスの時代から信じられていました。
- レディ(1668年)、スパランツァーニ、パスツールの白鳥の首型フラスコ(1862年受賞)の実験で否定されました。
- ゼンメルワイス(1847年)とスノウ(1854年)は、病気が手や水を介して広がることを示しました。
- リスター(1867年)、コッホの原則、ジェンナー(1796年)。1980年に天然痘の根絶が宣言されました。
- 「自然発生」とは、どういう意味ですか?
- 生物でない物質から生き物が生まれること
- 細胞が二つに分裂すること
- 植物が光を使って栄養を作ること
- ウイルスが細菌に感染すること
- レディの実験で、肉にウジがわいたのはどの瓶ですか?
- 開けたままの瓶だけ
- 密閉した瓶だけ
- 6個すべての瓶
- ガーゼで覆った瓶だけ
- パスツールの白鳥の首型フラスコで、肉汁が透明なままだったのはなぜですか?
- 空気は入れたが、微生物は曲がった首の部分に捕らえられたから
- フラスコが気密に密閉されていたから
- 肉汁に毒が含まれていたから
- 空気がなかったから
- レディの実験は1668年、パスツールのアルアンベール賞受賞は1862年です。何年の隔たりがありますか?
- ゼンメルワイスは医師に何を求めましたか?
- 患者を診る合間に、さらし粉の水溶液で手を洗うこと
- すべての肉汁を煮沸すること
- ポンプの取っ手を外すこと
- 石炭酸を噴霧すること
- 1854年のブロード・ストリートでの流行は8月31日に始まり、ポンプの取っ手は9月8日に外されました。何日後ですか?
- ジョン・スノウは、コレラについてどう結論づけましたか?
- ポンプからくみ上げた汚染水を介して広がる
- 悪い空気を介して広がる
- 空気中のウイルスが原因である
- 肉が原因である
- ジョゼフ・リスターは1867年に何を使い始めましたか?
- 手術中の石炭酸の噴霧
- ペニシリン
- 白鳥の首型フラスコ
- 電子顕微鏡
- ジェンナーが牛痘の予防効果を示したのは1796年、天然痘の根絶が宣言されたのは1980年です。何年の隔たりがありますか?
- 次の出来事を年代順に並べましょう。
このコースの出典 (15)
- OpenStax Microbiology 1.1 What Our Ancestors Knew (fermented drink from rice, honey and fruit in Neolithic China by 7000 BC, Saccharomyces cerevisiae in bread, Leeuwenhoek 1675 "animalcules" in rain water, Golden Age of Microbiology 1857 to 1914; openstax.org/books/microbiology/pages/1-1-what-our-ancestors-knew)
- 1.3 Types of Microorganisms (about 100 µm to see with the eye, animal cell about 10 µm, bacteria about 1 µm, viruses about 100 nm, three domains, coccus/bacillus/spirillum, archaea without peptidoglycan and in extreme places such as Morning Glory pool, protists, algae, diatoms 2 to 200 µm, protozoa with cilia, flagella or pseudopods, fungi with chitin walls, more than 1000 yeast species, molds and penicillin, helminths, prions about one-tenth of a virus; .../1-3-types-of-microorganisms)
- 3.1 Spontaneous Generation (Aristotle, van Helmont's mice recipe of 3 weeks, Redi 1668 with six jars, Needham 1745, Spallanzani, Pasteur 1858 gun-cotton filter, swan-neck flasks, Alhumbert Prize 1862, 1864 lecture; .../3-1-spontaneous-generation)
- 3.2 Foundations of Modern Cell Theory (Semmelweis 1847, 10 to 20 percent vs 1 percent, chlorinated lime; Snow; Pasteur 1856 fermentation; Lister 1867 carbolic acid; Koch's postulates; .../3-2-foundations-of-modern-cell-theory)
- 6.1 Viruses (acellular, obligate intracellular parasites, DNA or RNA never both, capsid, envelope, spikes, helical/polyhedral/complex, 20 nm to 900 nm, Ivanovski 1892 with the Chamberland filter of 1884, pore 0.1 µm, Beijerinck 1898 and virus = poison, Stanley 1935, host range, bacteriophages, FDA 2006 phage spray on lunch meats; .../6-1-viruses)
- 9.1 How Microbes Grow (binary fission, FtsZ Z ring, generation time, E. coli 20 minutes, human generation 25 years, M. tuberculosis 15 to 20 hours, M. leprae 14 days, 2^48 = 281,474,976,710,656 after 24 h at 30 minutes, Nn = N0 2^n, lag/log/stationary/death, budding, fragmentation, Epulopiscium; .../9-1-how-microbes-grow)
- Royal Society: Philosophical Transactions 12:821-831, published 25 March 1677, Leeuwenhoek's Dutch letter of 9 October 1676 "concerning little animals" (doi.org/10.1098/rstl.1677.0003)
- Royal Society archive EL/L1/22 (letter to Oldenburg dated at Delft, 18 pages, partial translation by Oldenburg)
- Royal Society blog "Celebrating Leeuwenhoek", 2023 (first letter via de Graaf, Phil. Trans. 19 May 1673; 190 letters in fifty years; died 26 August 1723 aged 90)
- N. Lane 2015, Phil. Trans. R. Soc. B 370:20140344 (upwards of 1,000,000 creatures in a drop of pepper-water; letter read aloud over several sessions)
- Lens on Leeuwenhoek, letter L-040 (Oldenburg printed less than half; Hooke succeeded later in 1677)
- CDC MMWR 53(34):783, 2004, 150th Anniversary of John Snow and the Pump Handle (31 August 1854, handle removed 8 September 1854, Vibrio cholerae isolated 1883; cdc.gov/mmwr/preview/mmwrhtml/mm5334a1.htm)
- CDC History of Smallpox and Smallpox timeline (Jenner 1796; 33rd World Health Assembly declared the world free of smallpox on 8 May 1980; cdc.gov/smallpox/about/history.html)
- American Chemical Society, Discovery and Development of Penicillin landmark (Fleming 1928 at St Mary's Hospital London, paper June 1929, Florey and Chain at Oxford from 1939; acs.org/education/whatischemistry/landmarks/flemingpenicillin.html)
- Fleming 1929, Br J Exp Pathol 10:226. Sender, Fuchs and Milo 2016, PLoS Biol 14:e1002533 (3.8 × 10^13 bacteria and 3.0 × 10^13 human cells in a 70 kg reference man, ratio about 1.3, bacteria about 0.2 kg).
確認日: 2026-10-17