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菌類と原生生物

1928年、アレクサンダー・フレミングは、ロンドンのセント・メアリー病院で、培養皿に生えたカビの周囲で細菌の増殖が止まっていることに気づきました。

菌類:酵母とカビ

菌類は真核生物なので、細胞に核があります。キノコのような大きな菌類は少し植物に似て見えますが、大きく異なります。光合成をせず、細胞壁は通常、セルロースではなくキチンでできています。微生物学では、特に2種類を詳しく調べます。酵母は単細胞の菌類で、1,000種を超える種類が知られ、深海から人のへそまで、さまざまな場所にすんでいます。パンを膨らませ、飲料を発酵させる酵母のように役立つものも、食品を腐らせるものもあり、一部は感染症を起こします。

カビは、長い糸状の構造からなる多細胞の菌類で、古いオレンジに見られるような、肉眼で見える集落を作ります。土、腐りかけの食品、湿った隅などにすみ、動植物の死骸を分解して栄養分を土に戻すうえで大きな役割を担います。アレルギーを引き起こすカビや、マイコトキシンという毒素を作るカビもありますが、カビから薬も得られました。

背景汚染された培養皿。1928年、ロンドンのセント・メアリー病院の細菌学教授アレクサンダー・フレミングは、細菌の培養皿の一つにアオカビ属のカビが生え、その近くでは細菌が増えていないことを発見しました。その物質をペニシリンと名づけ、1929年6月にBritish Journal of Experimental Pathologyで発表しました。主な用途として示したのは、ペニシリンに感受性のある細菌と、そうでない細菌を分けることでした。ほかの研究者は精製を試みましたが、うまくいきませんでした。1939年から、オックスフォード大学のハワード・フローリー、エルンスト・チェーンらが精製と生産の方法を開発し、実験室の興味深い物質を医薬品に変えました。

菌類は共生関係も作ります。菌根菌は植物の根を覆ったり内部に入り込んだりして、無機養分と糖を交換します。地衣類は、菌類と、藻類またはシアノバクテリアの共生体です。パン作りでは、酵母のサッカロミセス・セレビシエが小麦粉の糖を発酵させて二酸化炭素を放出し、その気泡が生地を膨らませます。

原生生物:核をもつ、ほかの生物

原生生物は正式な分類群ではなく、植物、動物、菌類以外の真核生物をまとめた呼び名です。そのため、非常に多様です。藻類は光合成を行う原生生物で、太陽光からエネルギーを得て、酸素と炭水化物を作り出します。多くの藻類はセルロースを含む細胞壁をもちますが、細胞を覆う構造はグループごとに異なります。ガラス質の殻をもつ藻類の一種、珪藻の大きさは2~200 µmです。OpenStaxには、南極のマクマード湾の海氷で生きる珪藻の写真が載っています。シアノバクテリアも藻類と呼ばれることがありますが、細菌です。

原生動物は、多くが動いて餌をとるため、動物に似ているといわれる原生生物です。毛のような繊毛や、むちのようなべん毛で泳ぐものもいれば、アメーバのように細胞の一部を「仮の足」である仮足として突き出し、流れるように進むものもいます。光合成をする原生動物、有機物を食べるもの、寄生するものもいます。原生動物は、ほかの生物に栄養を供給し、多くの食物網の基盤を支えています。

仲間細胞壁栄養の得方
酵母(単細胞)キチン吸収
カビ(糸状)キチン吸収、分解
藻類セルロース太陽光
原生動物(単細胞)通常はなし摂食
酵母単細胞の菌類で、1,000種を超える種類が知られています。
カビ糸状の構造からなる多細胞の菌類で、分解者です。
キチン多くの菌類の細胞壁に含まれる丈夫な物質です。
珪藻ガラス質の殻をもつ藻類で、大きさは2~200 µmです。
仮足アメーバが移動や摂食に使う「仮の足」です。
ペニシリンアオカビ属に由来する抗菌物質です。1928年にフレミングが発見しました。
ポイント
  • 菌類はキチンの細胞壁をもつ真核生物で、光合成をしません。単細胞の酵母と、糸状のカビがあります。
  • カビは生物の死骸などを分解します。アオカビ属からペニシリンが得られました(フレミング、1928年)。
  • 原生生物は、植物、動物、菌類以外の真核生物です。
  • 藻類は光合成を行い、原生動物は繊毛、べん毛、仮足で動きます。
  1. 菌類の細胞壁の多くは、何でできていますか?
    • キチン
    • セルロース
    • ペプチドグリカン
    • ガラス
  2. 菌類について正しい説明はどれですか?
    • 光合成をしない
    • 原核生物である
    • 植物の一種である
    • 細胞壁がない
  3. OpenStaxによると、酵母は少なくとも約何種が知られていますか?(下限の数)
  4. 1928年、フレミングはどこでペニシリンの効果に気づきましたか?
    • ロンドンのセント・メアリー病院の細菌培養皿
    • パリのパン屋
    • 温泉
    • コムギ畑
  5. フレミングがカビに気づいたのは1928年、フローリーとチェーンが精製の研究を始めたのは1939年です。何年の隔たりがありますか?
  6. カビが自然界で果たす重要な働きは何ですか?
    • 動植物の死骸を分解する
    • 光合成で酸素を作る
    • 根粒で窒素を固定する
    • 花の受粉を助ける
  7. 原生生物の説明として最も適切なのはどれですか?
    • 植物、動物、菌類以外の真核生物
    • 単細胞生物すべて
    • 核をもつ細菌
    • 小さな植物
  8. 珪藻の大きさは、最大何マイクロメートルですか?
  9. アメーバは何を使って動きますか?
    • 仮足
    • 繊毛
    • べん毛
    • 根
  10. シアノバクテリアは藻類と呼ばれることもありますが、何の仲間ですか?
    • 細菌
    • 菌類
    • 原生動物
    • 植物
このコースの出典 (15)
  • OpenStax Microbiology 1.1 What Our Ancestors Knew (fermented drink from rice, honey and fruit in Neolithic China by 7000 BC, Saccharomyces cerevisiae in bread, Leeuwenhoek 1675 "animalcules" in rain water, Golden Age of Microbiology 1857 to 1914; openstax.org/books/microbiology/pages/1-1-what-our-ancestors-knew)
  • 1.3 Types of Microorganisms (about 100 µm to see with the eye, animal cell about 10 µm, bacteria about 1 µm, viruses about 100 nm, three domains, coccus/bacillus/spirillum, archaea without peptidoglycan and in extreme places such as Morning Glory pool, protists, algae, diatoms 2 to 200 µm, protozoa with cilia, flagella or pseudopods, fungi with chitin walls, more than 1000 yeast species, molds and penicillin, helminths, prions about one-tenth of a virus; .../1-3-types-of-microorganisms)
  • 3.1 Spontaneous Generation (Aristotle, van Helmont's mice recipe of 3 weeks, Redi 1668 with six jars, Needham 1745, Spallanzani, Pasteur 1858 gun-cotton filter, swan-neck flasks, Alhumbert Prize 1862, 1864 lecture; .../3-1-spontaneous-generation)
  • 3.2 Foundations of Modern Cell Theory (Semmelweis 1847, 10 to 20 percent vs 1 percent, chlorinated lime; Snow; Pasteur 1856 fermentation; Lister 1867 carbolic acid; Koch's postulates; .../3-2-foundations-of-modern-cell-theory)
  • 6.1 Viruses (acellular, obligate intracellular parasites, DNA or RNA never both, capsid, envelope, spikes, helical/polyhedral/complex, 20 nm to 900 nm, Ivanovski 1892 with the Chamberland filter of 1884, pore 0.1 µm, Beijerinck 1898 and virus = poison, Stanley 1935, host range, bacteriophages, FDA 2006 phage spray on lunch meats; .../6-1-viruses)
  • 9.1 How Microbes Grow (binary fission, FtsZ Z ring, generation time, E. coli 20 minutes, human generation 25 years, M. tuberculosis 15 to 20 hours, M. leprae 14 days, 2^48 = 281,474,976,710,656 after 24 h at 30 minutes, Nn = N0 2^n, lag/log/stationary/death, budding, fragmentation, Epulopiscium; .../9-1-how-microbes-grow)
  • Royal Society: Philosophical Transactions 12:821-831, published 25 March 1677, Leeuwenhoek's Dutch letter of 9 October 1676 "concerning little animals" (doi.org/10.1098/rstl.1677.0003)
  • Royal Society archive EL/L1/22 (letter to Oldenburg dated at Delft, 18 pages, partial translation by Oldenburg)
  • Royal Society blog "Celebrating Leeuwenhoek", 2023 (first letter via de Graaf, Phil. Trans. 19 May 1673; 190 letters in fifty years; died 26 August 1723 aged 90)
  • N. Lane 2015, Phil. Trans. R. Soc. B 370:20140344 (upwards of 1,000,000 creatures in a drop of pepper-water; letter read aloud over several sessions)
  • Lens on Leeuwenhoek, letter L-040 (Oldenburg printed less than half; Hooke succeeded later in 1677)
  • CDC MMWR 53(34):783, 2004, 150th Anniversary of John Snow and the Pump Handle (31 August 1854, handle removed 8 September 1854, Vibrio cholerae isolated 1883; cdc.gov/mmwr/preview/mmwrhtml/mm5334a1.htm)
  • CDC History of Smallpox and Smallpox timeline (Jenner 1796; 33rd World Health Assembly declared the world free of smallpox on 8 May 1980; cdc.gov/smallpox/about/history.html)
  • American Chemical Society, Discovery and Development of Penicillin landmark (Fleming 1928 at St Mary's Hospital London, paper June 1929, Florey and Chain at Oxford from 1939; acs.org/education/whatischemistry/landmarks/flemingpenicillin.html)
  • Fleming 1929, Br J Exp Pathol 10:226. Sender, Fuchs and Milo 2016, PLoS Biol 14:e1002533 (3.8 × 10^13 bacteria and 3.0 × 10^13 human cells in a 70 kg reference man, ratio about 1.3, bacteria about 0.2 kg).

確認日: 2026-10-17