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オリュンポスの12神

ギリシア人はいつも12柱の偉大な神々について語りましたが、誰もが同意する一覧を残した古代の作家はいません。

山に住む神々

オリュンポス山はギリシア北部にある実在の山で、国内最高峰の標高は2900 mをわずかに超えます。山頂はしばしば雲に隠れ、ギリシアの詩人たちは、雲や風雨よりも上、人間の手が届かないところに神々の宮殿を置きました。オリュンポスに住む神々は、オリュンポスの神々と呼ばれます。ホメロスの『イリアス』では、神々はアンブロシアを食べ、ネクタルを飲み、食卓で口論し、人間の戦争でそれぞれの側につきます。力が強く死なないのに、大きくてやっかいな家族のようにふるまいます。

ギリシアの宗教には、唯一の聖典も、信じるべきことを決める教会もありませんでした。物語は都市ごと、詩人ごとに異なりました。現存する最古の長編資料は、通常は紀元前8世紀のものとされるホメロスの詩と、多くの学者が紀元前700年を少し下ったころのものとするヘシオドスの詩です。のちの作家、画家、陶工も、それぞれ異なる形の物語を付け加えました。このコースで「神話では」と言うときは、特定の詩や作家の記述を指し、その出典を挙げます。

オリュンポスの神とされるのは誰か

11の名前は、ほとんどすべての一覧に出てきます。ゼウスは天を治め、雷を投げます。ヘラは彼の妻であり、きょうだいでもあって、結婚を見守ります。ポセイドンは海を治め、地震を起こします。デメテルは穀物を実らせます。アテナは知恵と、機織りなどの工芸と、技を用いた戦いの女神です。アポロンは音楽、癒し、予言の神で、双子のきょうだいであるアルテミスは狩りと野生動物の女神です。アレスは最も荒々しい形の戦いの神です。アフロディテは愛と欲望の女神です。ヘパイストスは鍛冶場で金属を打つ鍛冶の神、ヘルメスは神々の使者であり、旅人、商人、泥棒の守護神です。

12番目の座は、資料が分かれるところです。現代の一覧の多くは、ワインと演劇の神ディオニュソスを加えます。ほかの一覧は、どの家の中心にもある火、かまどの女神ヘスティアを加えます。Theoi Project は、ヘスティアが12神に数えられることもあったと述べています。詩人ロドスのアポロニオスの作品への注釈に残る古代の一覧の1つは、ヘスティアとハデスの両方を入れ、アレスとディオニュソスを完全に外しています。ゼウスの兄弟で死者を治めるハデスは、オリュンポスではなく地下に住むため、ふつう一覧から外されます。

家系図(ヘシオドスによる。ホメロスの異説を1つ含む)。最上段:1 クロノス、2 レア。その子どもたち:3 ヘスティア、4 デメテル、5 ヘラ、6 ハデス、7 ポセイドン、8 ゼウス。ゼウスの子どもたち:9 アテナ(母メティス)、10 アポロンと 11 アルテミス(レト)、12 ヘルメス(マイア)、13 アレス(ヘラ)、14 ヘパイストス(ヘラ。ヘシオドスはヘラが1人で産んだと言う)、15 ディオニュソス(セメレ、人間)、16 アフロディテ(ディオネ、ホメロスだけ。破線)。濃い枠の神々はほとんどすべての12神の一覧に、薄い枠の神々は一部の一覧に登場します。
背景ヘスティアがオリュンポスの座をディオニュソスに譲り、争いなく12神に加われるようにした、という話が今日よく語られます。一覧が食い違う理由を説明するにはきれいにまとまった話で、多くの現代の本に載っています。ただし、古代の資料にはそんな話はありません。証拠の実際の食い違いを収めるための、現代の創作のようです。これは役に立つ戒めです。神話があまりにきれいに何かを説明するときは、誰が最初にそれを書き留めたのかを問いましょう。

12神の祭壇

12神は、集団としてまとめて崇拝されました。アテナイでは、紀元前522年または521年に、支配者ペイシストラトスの孫、小ペイシストラトスが、公共の広場アゴラに12神の祭壇を建てました。祭壇は都市の中心点として働き、碑文が港から祭壇までの距離を記し、歴史家ヘロドトスはエジプトのある道のりを、この祭壇からオリンピアへの道と比べて測りました。祭壇の大半は、今はアテネ・ピレウス間の鉄道の下に眠っています。

ギリシア名とローマ名

ローマ人は自分たちの神々をギリシアの神々に対応させたので、英語の本の多くはローマの名前を使います。ゼウスはユピテル、ヘラはユノ、ポセイドンはネプトゥヌス、デメテルはケレス、アテナはミネルウァ、アルテミスはディアナ、アレスはマルス、アフロディテはウェヌス、ヘパイストスはウルカヌス、ヘルメスはメルクリウス、ディオニュソスはバックス、ヘスティアはウェスタになりました。アポロンは名前を変えませんでした。ローマの神々にはそれぞれ古い信仰があったため、この対応は正確ではありませんでしたが、惑星がマルス、ウェヌス、ユピテルといったローマ名を持つ理由は、これで説明できます。

家系の細部は、資料によって違います。ホメロスはアフロディテをゼウスとディオネの娘としますが、ヘシオドスは海から生まれたとします。ホメロスはヘパイストスをゼウスとヘラの子としますが、ヘシオドスはヘラが1人で産んだと言います。
  • 紀元前750年ごろ: 『イリアス』の成立(年代は議論がある)
  • 紀元前700年ごろ: ヘシオドスの『神統記』
  • 紀元前522/1年: アテナイの12神の祭壇
  • 紀元前440年ごろ: ヘロドトスが『歴史』を書く
  • 西暦2011年: 鉄道工事中に祭壇がさらに発掘される
ゼウス神々の王。天と雷(ローマ名ユピテル)
ヘラ神々の女王。結婚(ローマ名ユノ)
ポセイドン海と地震(ローマ名ネプトゥヌス)
アテナ知恵、工芸、技を用いた戦い(ローマ名ミネルウァ)
アポロン音楽、癒し、予言。ローマでも同じ名前
アルテミス狩りと野生動物。アポロンと双子のきょうだい(ローマ名ディアナ)
ヘルメス使者。旅人、商人、泥棒(ローマ名メルクリウス)
ヘスティアかまど。12神に数えられることもある(ローマ名ウェスタ)
ディオニュソスワインと演劇。人間の母を持つ(ローマ名バックス)
  1. ギリシアの詩人たちは、神々の宮殿をどこに置きましたか?
    • オリュンポス山
    • パルナッソス山
    • クレタ島
  2. 海を治める神はどれですか?
    • ヘルメス
    • ポセイドン
    • ヘパイストス
  3. 12番目の座を最もよく争う2柱の神はどれですか?
    • ヘスティアとディオニュソス
    • ハデスとペルセポネ
    • エロスとパン
  4. ハデスがふつう一覧から外されるのはなぜですか?
    • オリュンポスではなく冥界に住むから
    • 人間だったから
    • トロイア戦争の後に生まれたから
  5. ヘルメスのローマ名は何ですか?
    • マルス
    • ウルカヌス
    • メルクリウス
  6. ローマでも同じ名前のままだったオリュンポスの神はどれですか?
    • アポロン
    • アテナ
    • アルテミス
  7. ヘシオドスによれば、アテナの母は誰ですか?
    • ヘラ
    • メティス
    • レト
  8. ヘスティアがディオニュソスに座を譲ったという話には、古代の出典がありますか?
    • いいえ、現代の語り直しにだけ出てくる
    • はい、『イリアス』に
    • はい、『神統記』に
  9. 11柱の神は、ほとんどすべての一覧に出てきます。12神にするには、あと何柱必要ですか?
  10. 12神の祭壇は紀元前522年ごろに建てられました。それは西暦2026年の何年前にあたりますか?(0年はありません。)
  11. 人間の母を持つ神はどれですか?
    • ディオニュソス
    • アポロン
    • アレス
ポイント
  • オリュンポスは、ギリシア北部にある実在の山です。
  • 11柱の神はほぼすべての一覧に出てきて、12番目はディオニュソスかヘスティアです。
  • ハデスは死者を治めますが、ふつうは数えられません。
  • ローマの神々(ユピテル、ウェヌス、マルス)は、ギリシアの神々に対応づけられていますが、まったく同じ神々ではありません。
  • ホメロスとヘシオドスは、家系の細部で食い違うことがあります。
出典:Theoi Project「Olympian Gods」。ヘシオドス『神統記』886-929。ホメロス『イリアス』5。ヘロドトス 2.7。米国古典学研究所によるアテナイの12神の祭壇の記録。C. R. Long『The Twelve Gods of Greece and Rome』(1987年)。
このコースの出典 (15)
  • Theoi Project, "Olympian Gods" (theoi.com/greek-mythology/olympian-gods.html)
  • Hesiod, Theogony and Works and Days (Evelyn-White translation, Perseus/Theoi; Diotima translation of Works and Days 53-105 by B. MacLennan, diotima-doctafemina.org; Purdue excerpt of Theogony 535-616)
  • Homer, Iliad and Odyssey
  • Apollodorus, Library 2.5
  • Ovid, Metamorphoses 3 (A. S. Kline, ovid.lib.virginia.edu)
  • Britannica, "Homer" (dating the works, stabilizing the text; Hesiod not long after 700 BCE; earliest alphabetic inscriptions c. 730 BCE) and "Odysseus"
  • The Met, Heilbrunn Timeline essay "The Labors of Herakles" (C. Hemingway, 2008, metmuseum.org/essays/the-labors-of-herakles)
  • University of Oxford, Classical Art Research Centre, "Metopes of the Temple of Zeus at Olympia" (carc.ox.ac.uk)
  • Ashmolean Museum, "Odyssey: the story of Odysseus in the ancient world"
  • UNESCO World Heritage Centre and ICOMOS 1998 evaluation, "Archaeological Site of Troy" (whc.unesco.org/en/list/849)
  • E. H. Cline, "Digging Up Troy", Lapham's Quarterly 2017
  • Merriam-Webster, "The Mythological Origin of Panic"
  • Online Etymology Dictionary entries panic, Atlas, atlas, mentor (etymonline.com)
  • UCSB English dept. notes on "mentor" (OED and American Heritage)
  • University of Iowa, "It's Greek to Me: Panic". Map coastlines: Natural Earth 1:110m (public domain).

確認日: 2026-10-17