定常波と楽器
片端を閉じた長さ67.2 cmの管は、気温22 °Cの日に128 Hzの音を出します。中央のド(C)の一オクターブ下のド(C)(130.8 Hz)より少し低い音です。
その場にとどまる波
ロープの片端を壁に結び、もう片端を一定の調子で振ってみましょう。波は壁まで進み、反射して戻り、行きと帰りの波が重なります。たいていの振動数では複雑な動きになりますが、特定の振動数では、波の膨らみが並ぶ安定した形となり、その形がその場にとどまって見えます。まったく動かない点と、大きく振れる点ができるのです。OpenStaxは、逆向きに進む同じ波が重なってできるこの波を定常波と呼んでいます。動かない点が節、最も大きく動く点が腹です。隣り合う節の間隔は半波長です。
弦に生じる倍音列
ギターやバイオリンの弦は両端が固定されているため、両端は節になります。半波長の整数倍が両端の間に収まる定常波だけが持続します。最も長い波は腹が一つで、弦の長さがLならλ₁ = 2Lです。その振動数が基本振動数f₁ = v/2Lで、vは弦を伝わる波の速さです。次は腹が二つでλ₂ = L、f₂ = 2f₁、その次は腹が三つでf₃ = 3f₁となります。これらが倍音です。OpenStaxによると、弦を強く張るとvが増し、どの振動数も上がります。フレットに弦を押し付けてLを短くしても、音は高くなります。
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気柱:開管と閉管
管楽器は空気の柱にできる定常波を利用します。瓶の口に息を吹きかけると、中の空気が固有振動数で響きます。閉じた端では空気が動けないため、空気の変位の節になります。開いた端では空気が最も自由に動けるため、腹になります。片端を閉じた管の最も低い振動では、閉じた端が節、開いた端が腹になり、管の長さは四分の一波長です。したがってλ = 4L、f₁ = v/4Lです。OpenStaxが示すように奇数次の倍音だけが収まり、f_n = n v/4Lでn = 1, 3, 5, …となります。両端が開いた管では両端が腹なので、λ₁ = 2Lとなり、すべての整数次の倍音が現れます。式はf_n = n v/2Lです。
OpenStaxの例題で数値を確かめましょう。気温22 °Cの日、音速は約344 m/sです。OpenStaxは128 Hzを中央のド(C)の一オクターブ下のド(C)としていますが、ラ(A)を440 Hzに合わせると、そのドは約130.8 Hzです。基本振動数が128 Hzの閉管の長さは、L = v/4f₁ = 344 ÷ (4 × 128) = 0.672 mになります。第四上音は第九倍音なので、9 × 128 Hz = 1.15 kHzです。音速は気温によって変わるため、管の音の高さも変わります。OpenStaxが、合奏前に管楽器を室温になじませると述べているのはこのためです。
楽器ごとに音色が違う理由
実際の楽器が基本振動だけを鳴らすことは、ほとんどありません。弦や気柱は複数の倍音で同時に振動し、その混ざり方を音色として聞き分けます。OpenStaxは、トランペットとクラリネットで中央のド(C)を吹く例を挙げています。基本振動数は同じでも、上音の種類や強さが異なるため、目を閉じていても楽器を区別できます。ギターやバイオリンの胴も独自に共鳴し、一部の上音を強めます。人の声も同じ仕組みです。喉や口が共鳴管となり、形を変えることで異なる母音を作ります。
- 長さ0.65 mの弦を波が286 m/sで伝わります。基本振動数はいくつですか?
- この弦の第二倍音の振動数はいくつですか?
- 両端を固定した弦が第三倍音(腹が三つ)で振動しています。両端も含め、節はいくつありますか?
- 両端を固定した長さLの弦の基本振動では、波長はどれですか?
- 2L
- L
- L/2
- 4L
- 片端を閉じた管の基本振動の波長はどれですか?
- 4L
- 2L
- L
- L/4
- 片端を閉じた管では、どの倍音が生じますか?
- 奇数次のみ(1, 3, 5, …)
- 偶数次のみ
- すべての整数次
- 基本振動のみ
- 両端が開いた管の長さは0.50 mです。音速が343 m/sのとき、基本振動数はいくつですか?
- 閉管から、気温22 °Cの日に128 Hzの音を出したいとします(v = 344 m/s)。必要な長さを小数第3位まで求めてください。
- 長さを変えずにギターの弦を強く張ると、音の高さはどうなりますか?
- 高くなる
- 低くなる
- 変わりません
- 音が消える
- トランペットとクラリネットが同じ高さの音を出しても、違って聞こえるのはなぜですか?
- 上音の混ざり方が違うから
- 基本振動数が違うから
- 一方の音のほうが速く伝わるから
- 一方が横波の音を出すから
- 定常波:逆向きの二つの波が重なります。節は動かず、腹が最も大きく振動します。
- 両端固定の弦:f_n = n v/2L。すべての整数次の倍音が生じます。
- 開管:f_n = n v/2L。閉管:f_n = n v/4Lで、nは奇数のみです。
- 音色は上音の混ざり方で決まります。
このコースの出典 (11)
- OpenStax College Physics 2e (openstax.org/books/college-physics-2e): 16.9 Waves (disturbance that propagates, gull example λ 10.0 m, T 5.00 s, v = 2.00 m/s, transverse and longitudinal, amplitude independent of speed)
- 16.10 Superposition and Interference (constructive, destructive, standing waves, f1 = v/2L, beats fB = |f1 − f2|, 256 Hz fork with 2 beats -> 254 or 258 Hz)
- 17.2 Speed of Sound (Table 17.1: air 331 m/s at 0 °C, helium 965, fresh water 1480, sea water 1540, steel 5960, vulcanized rubber 54; v = 331 m/s × √(T/273 K); 343 m/s at 20 °C; audible range 20 to 20 000 Hz; P-waves 4 to 7 km/s, S-waves 2 to 5 km/s; Oldham and Lehmann)
- 17.3 Sound Intensity (I0 = 10⁻¹² W/m², Table 17.2, factor 10 = 10 dB, factor 2 = 3 dB, 85 dB for 8 h footnote, bel named for Bell)
- 17.5 Sound Interference and Resonance (noise-cancelling headphones 30 dB or more, closed tube λ = 4L and f_n = n v/4L with n odd, open tube f_n = n v/2L, 128 Hz tube at 22 °C = 0.672 m, ninth harmonic 1.15 kHz, trumpet vs clarinet overtones)
- 24.1 (Maxwell; Hertz from 1887)
- 24.3 The Electromagnetic Spectrum (c = fλ, Table 24.1, three rules of thumb, AM 540 to 1600 kHz, FM 88 to 108 MHz, microwave oven 2.45 GHz, visible 400 to 750 nm, UV 400 to about 10 nm, UV-A 320 to 400, UV-B 290 to 320, UV-C 220 to 290 nm, 99% of surface UV is UV-A, X-rays below 0.01 nm)
- 27.3 Young's Double Slit (1801, d sin θ = mλ, 0.0100 mm and 633 nm example)
- NASA science.nasa.gov/ems (Introduction, Visible Light: 380 to 700 nm; atmospheric windows)
- NIST, c = 299 792 458 m/s exact (nist.gov/si-redefinition/meter)
- ISO 16:1975 (A = 440 Hz, iso.org/standard/3601.html).
確認日: 2026-10-17