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エネルギー保存則とジェットコースター

高さ20.0 mの坂の頂上で静止していたジェットコースターは、摩擦が無視できれば、質量によらず坂の下で19.8 m/sになります。

高さを速さに変える

ジェットコースターには、下り坂で動力を出すエンジンはありません。出発時にチェーンや発射装置からエネルギーを受け取った後は、位置エネルギーと運動エネルギーの変換を繰り返します。下り坂では位置エネルギーが運動エネルギーに変わって速くなり、次の上り坂では運動エネルギーが位置エネルギーに戻って遅くなります。

摩擦が無視できるほど小さければ、合計は一定です。出発時のKE + PEは、その後どの地点でもKE + PEと等しくなります。これを力学的エネルギーの保存と呼びます。レールの形を知らなくても、高さから速さを求められます。

摩擦のないレールの3地点での棒グラフです。頂上ではすべて位置エネルギー(青)、一番下ではすべて運動エネルギー(オレンジ)になります。出発点が20 m、途中の坂が14 mなら、その坂の頂上では位置エネルギー70%、運動エネルギー30%です。

OpenStaxの計算例

ジェットコースターが高さ20.0 mの坂の頂上から静かに動き出します。坂の下では位置エネルギーがすべて運動エネルギーに変わるので、m g h = ½ m v²です。両辺の質量を消去すると、v = √(2 g h) = √(2 × 9.8 × 20.0) = 19.8 m/s、時速約71 kmです。空気抵抗が小さければ重い石も軽い石も同じように落ちるのと同じく、満員の車両も空の車両も同じ速さになります。

頂上をすでに5.00 m/sで走っているなら、初めの運動エネルギーも加わります。½ v² = ½ v₀² + g hより、v = √(5.00² + 2 × 9.8 × 20.0) = 20.4 m/sです。前より速くなりますが、差は0.6 m/sで、初速の5 m/sよりずっと小さくなります。足し合わせるのはエネルギーで、速さはその平方根から求めるため、初速の効果は予想より小さくなります。

摩擦によってエネルギーが熱になる

実際のレールや車輪には摩擦があり、空気も抵抗します。これらの力は負の仕事をするため、力学的エネルギーKE + PEは少しずつ減ります。エネルギーが消えるのではなく、車輪、レール、空気の熱エネルギーになるのです。熱まで含めたエネルギー保存則では、KE + PE + 熱は一定です。実験室では、摩擦を動摩擦係数μで表し、発生する熱はμ m gと水平移動距離の積になります。

摩擦を大きくして、台車が到達できる最高地点を示す破線を見てください。レールを1 m進むたびに、破線は低くなります。μ = 0.05では、20 mから出発した台車は14 mの坂を越えますが、18 mの坂は登れません。行き来を繰り返し、やがて摩擦によって谷で止まります。ジェットコースターの最初の坂が最も高いのはこのためで、その後の坂は残ったエネルギーで登れる高さ以下でなければなりません。

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摩擦はμ = 0.05に設定されています。「再生」を押して、出発の高さと破線を比べてください。次に摩擦を0にして、もう一度再生します。

実験室で熱の棒が示す量は計算で予測できます。μ = 0.02なら、水平方向に1 m進むごとに0.02 × m × gの熱が生じます。130 m進むと、質量によらず0.02 × 130 = 2.6 mの高さに相当するエネルギーを失います。この摩擦スライダーは単純化したモデルです。実際のジェットコースターでは車輪の摩擦と空気抵抗でエネルギーを失い、空気抵抗は速さとともに増すので、1 mごとの損失は一定ではありません。ただし、力学的エネルギーの減少分が熱になるという収支は同じです。

効率

機械でも同じようにエネルギーの収支を考えます。有効に取り出せるエネルギーは必ず投入したエネルギーより小さく、その比を効率と呼びます。効率は、取り出した有効な仕事 ÷ 投入エネルギーの総量です。OpenStaxの代表値では、電動機が約98%、ガソリンエンジンが約30%、石炭火力発電所が約42%、太陽電池が約10%です。人の体は自転車や登山で約20%ですが、水面を泳ぐ場合は約2%です。

装置・活動効率(%)
電動機98
家庭用ガス暖房器90
石炭火力発電所42
ディーゼルエンジン35
ガソリンエンジン30
自転車・登山20
太陽電池10
水面での水泳2
ポイント
  • 摩擦がなければ、KE + PEは一定です。
  • 静止状態から高さhだけ下がると、速さは√(2 g h)になります。質量は消去されます。
  • 摩擦は力学的エネルギーを熱に変えます。KE + PE + 熱は保存されます。
  • 効率 = 有効な出力 ÷ 総入力で、必ず100%未満です。
  1. 高さ20.0 mの坂からジェットコースターが静かに動き出します。摩擦がないとき、坂の下での速さは何m/sですか?(g = 9.8、小数第1位まで)
  2. 同じ坂を初速5.00 m/sで下ります。坂の下での速さは何m/sですか?(小数第1位まで)
  3. 満員の車両と空の車両が、摩擦のない同じ坂から出発します。坂の下ではどうなりますか?
    • どちらも同じ速さ
    • 満員の方が速い
    • 空の方が速い
    • 満員の車両は止まる
  4. 静止状態から摩擦なしで5 m下がったときの速さは何m/sですか?(g = 9.8、小数第1位まで)
  5. 坂の下での速さを2倍にするには、落下する高さを何倍にしますか?(静止状態から出発、摩擦なし)
    • 4倍
    • 2倍
    • √2倍
    • 8倍
  6. 500 kgの台車が高さ20 mから出発します。地面を基準にした全エネルギーは何kJですか?(g = 9.8)
  7. 摩擦があるとき、走行中に一定に保たれるのはどれですか?
    • KE + PE + 熱
    • KE + PE
    • KEだけ
    • PEだけ
  8. ジェットコースターの最初の坂が、ふつう最も高いのはなぜですか?
    • 摩擦でエネルギーを失うため、その後の坂は低くする必要がある
    • 車両が軽くなるから
    • 後になるほど重力が弱まるから
    • 走行時間を長くするため
  9. 効率30%のガソリンエンジンに、燃料から1,000 Jを与えます。有効な仕事は何ジュールですか?
  10. OpenStaxの表で、効率が最も高いのはどれですか?
    • 電動機
    • 石炭火力発電所
    • ガソリンエンジン
    • 太陽電池
このコースの出典 (8)
  • OpenStax College Physics 2e (openstax.org/books/college-physics-2e): 7.1 Work: the scientific definition (W = F d cos θ, briefcase cases, 1 J = 1 N·m, 1 J lifts a 100 g apple about 1 m, lawn mower 75.0 N at 35° for 25.0 m = 1.54 × 10³ J, 1 kcal = 4186 J, under 10% of food energy goes into work)
  • 7.2 Kinetic energy and the work-energy theorem (KE = ½ m v², 30.0 kg package at 0.500 m/s = 3.75 J, 120 N push with 5.00 N friction over 0.800 m = 92.0 J net, final speed 2.53 m/s, a car at 100 km/h has four times the KE it has at 50 km/h)
  • 7.3 Gravitational potential energy (ΔPE = m g h, reference level, path independence, 0.500 kg cuckoo clock weight raised 1.00 m = 4.90 J, 60.0 kg person landing stiffly from 3.00 m, roller coaster 20.0 m hill: 19.8 m/s, and 20.4 m/s with a 5.00 m/s start, mass cancels)
  • 7.4 Conservative forces and potential energy (spring PE = ½ k x², 0.100 kg toy car, k = 250 N/m, 4.00 cm, 0.180 m rise)
  • 7.5 Nonconservative forces (friction turns mechanical energy into thermal energy)
  • 7.6 Conservation of energy (statement of the law, forms of energy, Table 7.1: 1000 kg car at 90 km/h 3.1 × 10⁵ J, tennis ball at 100 km/h 22 J, mosquito 1.3 × 10⁻⁶ J, daily food intake 1.2 × 10⁷ J, 1 gallon gasoline 1.2 × 10⁸ J, 1 g fat 3.9 × 10⁴ J; efficiency, Table 7.2: cycling and climbing 20%, swimming at the surface 2%, gasoline engine 30%, diesel 35%, coal power plant 42%, electric motor 98%, solar cell 10%)
  • 7.7 Power (P = W ÷ t, 1 W = 1 J/s, 1 hp = 746 W, 60.0 kg woman up 3.00 m stairs in 3.50 s reaching 2.00 m/s = 538 W, Table 7.3: Sun 4 × 10²⁶ W, car 8 × 10⁴ W, person at rest 100 W, heart at rest 8 W, clothes dryer 4 × 10³ W, a 60 W incandescent bulb gives 5 W of light, power plants turn 35 to 40% of fuel energy into electricity, E = P t, 0.200 kW computer 6.00 h a day for 30.0 days = 36.0 kWh, $4.32 at $0.120 per kWh)
  • g = 9.8 m/s² as in OpenStax examples (NIST standard gravity 9.80665 m/s², physics.nist.gov/cgi-bin/cuu/Value?gn).

確認日: 2026-10-17