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大数の法則

第二次世界大戦中、ジョン・ケリッヒはコインを10,000回投げ、表を5,067回出しました。その割合は0.5067です。

五回続けて表なら、次は裏が出るはず?

五回続けて表が出ました。さすがに次は裏でしょうか。そう思いたくなる感覚には「ギャンブラーの誤謬」という名前があります。大数の法則とよく似て聞こえるのが厄介です。大数の法則は正しいのですが、次の一回については何も述べていませんし、帳尻を合わせる法則でもありません。まず、法則が本当に述べていることを確認しましょう。

表の確率が1/2なのに、なぜ三回、四回と続けて表が出るのでしょうか。確率は少数回の結果ではなく、多くの繰り返しでの傾向を表すからです。一連の試行で事象が起こった割合を相対度数といい、起こった回数 ÷ 試行回数で求めます。大数の法則は、試行回数が増えるほど相対度数が理論上の確率に近づいていくと述べています。

背景数学者ジョン・ケリッヒは、1940年にドイツがデンマークに侵攻したとき、たまたまコペンハーゲンにおり、終戦まで抑留所で過ごしました。時間を使い、同じく抑留されたエリック・クリステンセンと確率の実験を行いました。最も有名なのが、表の累計を記録しながらコインを10,000回投げた実験です。最後には表5,067回、裏4,933回となりました。木の円盤の一部を鉛で覆った偏りのあるコインも作り、その表の割合も約70%に落ち着きました。ケリッヒは1946年に結果を発表し、コンピューターで手軽にシミュレーションできる時代まで、大数の法則の定番の例になりました。

表は67回多くても、割合の差はわずか0.0067です

ケリッヒの表の割合は5,067 ÷ 10,000 = 0.5067で、0.5との差はわずか0.0067です。それでも回数では、「期待する」5,000回より67回多くなっています。ここが意外な点です。投げ続けても、表の回数と全体の半分との差は零に縮まず、ふらつきながら大きくなることもよくあります。小さくなるのは、その差を投げた総回数で割った値です。大数の法則は、初めの偶然を後の大量の試行で目立たなくするのであって、埋め合わせるのではありません。

だからこそギャンブラーの誤謬は誤りです。五回続けて表でも、偏りのないコインなら次も表の確率は1/2です。コインに記憶はなく、裏を返す義務もありません。最初の五回の連続は、何千回という試行の中では目立たない一部分になります。

百回投げた後の割合は、たいてい0.40から0.60です

割合がどれほどずれるかには便利な目安があります。表の確率がpのコインをn回投げると、約95%の場合、最終的な割合はp ± 2√(p(1 − p)/n)に入ります。偏りのないコインを100回なら0.5 ± 2√(0.25/100) = 0.5 ± 0.1なので、0.40から0.60は普通です。10,000回なら0.5 ± 0.01です。ケリッヒの0.5067はこの帯の中で、0.5より約1.34標準偏差だけ上です。平方根に注目しましょう。帯の幅を十分の一にするには、投げる回数を百倍にする必要があります。

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色付きの帯はp ± 2√(p(1 − p)/n)です。「1,000回投げる」、次に「10,000回投げる」を押し、狭くなる帯の中へ青い線が落ち着く様子を見ます。「表の回数と期待値の差」は回数の差で、こちらは落ち着きません。
試してみましょう。「表の確率」を、ケリッヒの鉛入りコインが落ち着いた0.70にして、10,000回投げます。線は0.50でなく0.70に落ち着きます。大数の法則は偏ったコインにも成り立ち、そのコイン自体の確率を示します。

同じ考え方で、OpenStaxのベルギーのユーロ硬貨も判断できます。250回では、偏りのないコインの95%の帯は0.5 ± 2√(0.25/250) = 0.5 ± 0.063で、約0.437から0.563です。観測された0.56は端に近いものの帯の中です。だから結論は「偏りがあるかもしれないので、もっと投げる」であり、「偏りが証明された」ではありません。

相対度数事象が起こった回数 ÷ 試行回数
大数の法則試行回数が増えると相対度数は確率に近づきます
ギャンブラーの誤謬過去の結果が次の独立した結果を変えると思い込むこと
割合の95%の帯p ± 2√(p(1 − p)/n)
  1. ケリッヒは10,000回中5,067回、表を出しました。表の割合はいくつですか?
  2. 表は5,000回より何回多かったですか?
  3. 偏りのないコインを100回投げます。95%の帯の半幅2√(0.25/100)はいくつですか?
  4. 偏りのないコインを10,000回投げます。95%の帯の半幅はいくつですか?
  5. 帯の幅を半分にするには、投げる回数を何倍にしますか?
  6. 偏りのないコインで5回続けて表が出ました。P(次も表)はいくつですか?
  7. 250回の56%が表でした。表は何回ですか?
  8. サイコロを30回振って6が7回出ました。六の相対度数を小数第3位まで求めましょう。
  9. 大数の法則に合う説明はどれですか?
    • 表が多く出た後は、裏が出やすくなります
    • 表の回数と総回数の半分との差が0に近づきます
    • 投げる回数が増えると、表の割合が確率に近づきます
    • 十分に投げれば、割合は正確に0.5になります
  10. 250回で0.56という割合は、偏りのないコインの95%の帯0.437から0.563の中ですか?
    • はい、ぎりぎり中です
    • いいえ、外です
よくある間違い
  • 「七回続けて裏だから、そろそろ表の番です」 コインに記憶はありません。偏りがなければ八回目も表の確率は1/2で、一回目と同じです。大数の法則は、次の結果を少なかった側へ押すものではありません。
  • 「大数の法則によれば、10回投げれば表は5回のはずです」 十は大きな数ではありません。偏りのないコインを10回投げて表がちょうど5回になる確率は252/1024で、約0.246です。つまり約四回に三回は別の回数になります。法則が扱うのは、多数回投げた後の割合です。
  • 「1,000回投げて表が530回でした。30回多いので、投げ続ければ余分な30回は消えます」 余分な回数は減るとは限りません。10,000回投げた後も差が30回だとします。表の割合は5,030 ÷ 10,000 = 0.503となり、0.53よりずっと0.5に近くなります。同じ差を大きな数で割るので、割合が落ち着くのです。(回数は架空のものです。)
先生からひとことここでは「割合が落ち着く」と「回数の帳尻が合う」を混同しがちです。正しいのは前者だけです。まず20回か30回を手で記録し、その後実験室で10,000回投げ、表の割合と期待回数との差を並べて見るとよいでしょう。押す前に、差がどうなるか予想してもらいます。韓国の教育課程では相対度数は中学校、「統計的確率」と「大数の法則」は高校の「確率と統計」で学びます。大量の試行にはデジタルツールを使えることも記されています。
ポイント
  • 相対度数 = 起こった回数 ÷ 試行回数です。
  • 大数の法則では割合が確率に近づきます。回数の差が縮むとは限りません。
  • 典型的な95%の帯はp ± 2√(p(1 − p)/n)です。回数が100倍なら幅は十分の一になります。
  • 独立したコイン投げに記憶はありません。
このコースの出典 (9)
  • Curriculum: 교육부 고시 제2022-33호 [별책 8] 수학과 교육과정 (ncic.re.kr/inv/org/download.do?year=2022&seq=10003559&orgType=ogi4, PDF read 2026-10-19: 초등학교 5~6학년군 [6수04-04]~[6수04-06] 가능성을 말과 0, 1/2, 1 같은 수로 나타내기; 중학교 1~3학년군 [9수04-03] 상대도수, [9수04-05] 경우의 수(두 경우의 수를 더하거나 곱하는 정도), [9수04-06] 확률(상대도수로서의 의미와 경우의 수의 비율로서의 의미, 각 경우의 가능성이 같다는 가정), 용어 상대도수·사건·확률; 공통수학1 [10공수1-03-01]~[10공수1-03-03] 합의 법칙·곱의 법칙·순열·조합, 기호 nCr; 확률과 통계 [12확통01-03] 이항정리, 용어 이항계수·파스칼의 삼각형; [12확통02-01]~[12확통02-06] 확률의 기본 성질·덧셈정리·여사건의 확률·조건부확률·독립과 종속·곱셈정리, 용어 시행·통계적 확률·수학적 확률·여사건·배반사건·조건부확률·종속·독립·독립시행과 기호 P(A), P(B|A); [12확통03-03] 이항분포, [12확통03-04] 정규분포와 이항분포의 관계, [12확통03-05]·[12확통03-06] 임의추출·표본평균과 모평균, 용어 큰 수의 법칙·이항분포·정규분포·모평균·표본평균과 기호 B(n, p), N(m, σ²), X̄)
  • Textbook: OpenStax, Introductory Statistics 2e by Barbara Illowsky and Susan Dean, 3.1 terminology, equally likely outcomes, dime and nickel, law of large numbers, Belgian one euro coin 56% heads in 250 trials, conditional probability, Table 3.1 handedness of 100 people (openstax.org/books/introductory-statistics-2e/pages/3-1-terminology)
  • 4.3 binomial distribution
  • 7.1 central limit theorem for sample means, example mean 90, SD 15, n = 25, standard error 3 (.../pages/7-1-the-central-limit-theorem-for-sample-means-averages)
  • Yut rules for the Korean example only: 국립민속박물관 한국민속대백과사전 「윷놀이」, 도·개·걸·윷·모 by how many of the four sticks land 뒤집어진 (folkency.nfm.go.kr/kr/topic/detail/1595, read 2026-10-19)
  • Kerrich story: John Kerrich, 10,000 tosses, 5,067 heads (JMP case study JMP014 by DeWayne Derryberry, jmp.com/en/academic/case-study-library/is-a-coin-fair, citing Baldi and Moore; Wikipedia "John Edmund Kerrich")
  • Galileo story: Sopra le scoperte dei dadi, sum 10 in 27 ways and 9 in 25 ways with three dice (English translation, University of York history of statistics, york.ac.uk/depts/maths/histstat/galileo.pdf)
  • Pascal story: Pascal to Fermat, 29 July 1654, one six in four throws "as 671 to 625" (American Physical Society, aps.org/apsnews/2009/07/pascal-letters-fermat-points; Gaston Sanchez, De Mere's games; Statistical Science 2024 "Antoine Gombaud, Chevalier de Méré")
  • Galton story: Francis Galton, Natural Inheritance of 1889, the quincunx (Wikipedia "Galton board")

確認日: 2026-10-17