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誤解を招く軸

出生数は2023年から2025年に10.6%増えましたが、軸を22万人から始める棒グラフでは、2025年の棒が3.43倍の高さになります。

どんなグラフにも選択が伴い、その選択がデータ以上に印象を変えることがあります。最もよくあるのが縦軸の始点です。棒グラフの軸をゼロより上から始めると棒の下部が切れ、長さで読む棒の差が誇張されます。OpenStaxもこれを誤解を招く方法の一つとし、ゼロから始めれば操作が明らかになると述べています。

錯覚を計算する

韓国の出生数は2023年に230.0千人、2025年に254.3千人でした。本当の比は254.3 ÷ 230.0 ≈ 1.106で、約10.6%の増加です。軸を220から始めると、2025年の棒は220から254.3までの長さ34.3、2023年は220から230.0までの長さ10.0になります。紙面では34.3 ÷ 10.0 = 3.43倍の高さです。始点を225にすると29.3 ÷ 5.0 ≈ 5.86倍です。データは全く変わらず、省略した範囲だけが変わりました。

同じ出生数230.0千人と254.3千人。左は軸が0からで正しい比率、右は220からで2025年の棒が3.43倍の高さに見えます。

この例から一般則が分かります。軸の始点がbなら、値vの棒の長さはv − bなので、見かけの比は(big − b) ÷ (small − b)です。bが0なら本当の比big ÷ smallと一致します。bが小さいほうの値に近づくほど分母はゼロに近づき、見かけの比は限りなく大きくなります。

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軸を200千人から始めた韓国の出生数です。パネルでは最大値と最小値の本当の比と、描かれた高さの比を比較します。「軸を0から」を押すと、正しい比率に戻ります。

折れ線グラフは違うのか

折れ線グラフは長さではなく点の位置と傾きで読むので、軸をゼロより上から始めても構いません。0.72から1.24の出生率は、0から5の軸ではほぼ平らに見えます。統計では、ラベルが明確ならゼロ以外の始点も認められます。ただし傾きは表示範囲に左右されるので、変化の大きさを判断する前に軸の数値を読みます。

図の印象を変えるほかの方法

OpenStaxはほかの方法も挙げています。時間軸を横に伸ばすと変動が穏やかに、縮めると成長が爆発的に見えます。十億ウォンでなくウォンのような小さい単位で表すと、変化が大きく見えます。日々のデータを四半期平均にすると変動が消えます。ヒストグラムの一階級だけ幅を広くすると、その大きな面積が大きな割合を暗示します。どれも数値を偽る必要はありません。対策は共通です。軸、単位、間隔を読み、自分で比較を計算し直します。

背景1954年、米国の作家で元雑誌編集者のダレル・ハフは、短くユーモラスな『統計でウソをつく法』を出版しました。OpenStaxによると、25回以上増刷され、百五十万部以上売れました。ハフは実際の誤解を招くグラフや見出しを集め、軸の省略や拡大した絵などの手口を解説しました。目的は題名の逆です。仕組みを知ればだまされにくくなり、自分で描くときにうっかり同じことをするのも防げます。
途中から始まる軸ゼロより上から始まる縦軸
見かけの比軸の始点がbなら(big − b) ÷ (small − b)
本当の比big ÷ small
棒必ずゼロから始めます
線軸のラベルが明確なら、ゼロ以外から始めても構いません
  1. 出生数230.0(2023年)と254.3(2025年)で軸は0からです。棒の高さの比を小数第3位まで求めてください。
  2. 同じ値で軸は220からです。見かけの比を小数第2位まで求めてください。
  3. 同じ値で軸は225からです。見かけの比を小数第2位まで求めてください。
  4. 出生数438.4(2015年)と230.0(2023年)で軸は200からです。見かけの比を小数第2位まで求めてください。
  5. 米国人口3億3140万人(2020年)と1億5130万人(1950年)で軸は140からです。見かけの比を小数第1位まで求めてください(331.449281と151.325798を使います)。
  6. 縦軸を必ずゼロから始めるべきグラフはどれですか?
    • 出生率の折れ線グラフ
    • 出生数の棒グラフ
    • 両方
    • どちらでもない
  7. 軸の始点が何に近づくと、見かけの比は限りなく大きくなりますか?
    • ゼロ
    • 小さいほうの値
    • 大きいほうの値
    • 平均値
  8. 運用担当者が変動の激しい資産を穏やかに見せたいとします。OpenStaxが挙げる手口はどれですか?
    • 軸をゼロから始める
    • 日次でなく四半期のデータを使い、時間軸を横に伸ばす
    • 出典を追加する
    • 棒グラフを使う
  9. ヒストグラムで一階級だけ幅が広いと、なぜ誤解を招くのですか?
    • 棒の色が違うから
    • 面積が大きくなり、割合も大きいように見えるから
    • 軸がないから
    • 必ず円グラフだから
  10. ハフは『統計でウソをつく法』の読者に何を望みましたか?
    • うそのつき方を学ぶこと
    • 誤解を招くグラフを見抜き、自分でも作らないこと
    • グラフを使うのをやめること
    • 円グラフだけを使うこと
ポイント
  • 棒グラフの軸を途中から始めると差が誇張されます。見かけの比 = (big − b) ÷ (small − b)です。
  • 折れ線は軸のラベルがあればゼロより上から始めても構いません。傾きより先に数値を読みます。
  • 横に伸ばした時間軸、小さすぎる単位、不均等な階級は、数値を偽らなくても誤解を招きます。
このコースの出典 (9)
  • OpenStax, Introductory Statistics 2e by Barbara Illowsky and Susan Dean (, per the page notice on 2026-10-17): 2.2 histograms, frequency polygons and time series graphs, including the 100 soccer player heights, the books bought by 50 students, class width, convenient starting points, the square root guideline, relative frequency f/n (3 of 40 = 0.075) and the section "How NOT to Lie with Statistics" (Darrell Huff, pie charts, varying class widths, axes that do not start at zero) (openstax.org/books/introductory-statistics-2e/pages/2-2-histograms-frequency-polygons-and-time-series-graphs)
  • Korean births and total fertility rate 2015 to 2025: Ministry of Data and Statistics (국가데이터처, formerly Statistics Korea)
  • "2025년 출생 통계" press release, Table 1 (mods.go.kr/board.es?mid=a10301010000&bid=204&list_no=446625, figures for calendar years 2015 to 2025)
  • TFR definition, 1970 value 4.53, 1983 value 2.06 and replacement level 2.10: e-나라지표 합계출산율 (index.go.kr/unify/idx-info.do?idxCd=5061)
  • US resident population 1950 to 2020 and the four regions in 2010 and 2020: US Census Bureau, Historical Population Change Data (1910-2020)
  • released April 26, 2021, counts as of April 1 of each census year (census.gov/data/tables/time-series/dec/popchange-data-text.html) and 2020 Census Apportionment Results press release (census.gov/newsroom/press-releases/2021/2020-census-apportionment-results.html)
  • William Playfair, Commercial and Political Atlas (1786) and Statistical Breviary (1801): Encyclopedia.com "Statistical Graphics" (encyclopedia.com/social-sciences/encyclopedias-almanacs-transcripts-and-maps/statistical-graphics)
  • J. Sachs, BRANCH (branchcollective.org)
  • I. Spence, "William Playfair and the Psychology of Graphs" (2006).

確認日: 2026-10-17